この記事でご紹介した小学生は無事小学6年生で英検準1級に合格しました。その生徒の合格体験談はこちら。
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英検準1級を目指して勉強している小学生の生徒のお話です。
英検準1級はとても難しい試験です。
英単語は日常英会話レベルを通り越し、
教科書や学術書、研究論文などに含まれる専門用語が出題されています。
当然初めて見る単語ばかりなので、現在必死に単語を覚えてくださっています。
その数、週に400単語。
このペースは、難関国立大学や早稲田・慶應といった難関大学の入試問題もすらすら読める語彙力が身につくレベルです。
本当によく頑張ってくださっています。
英検の場合、単語力が養われると第1部の短文問題のスコアは上がります。
単語を覚えるのは大変ですが、覚えられれば確実にスコアは伸びます。
しかし、単語力では伸びにくいのが第3部の長文読解です。
なぜ単語力だけでは長文を読めないのか
英検の長文読解は大人にとっては第1部と比較して易しく感じるかもしれません。
しかし、これが小学生となるととても難しい。
その理由は、前提知識の不足にあります。
英検準1級の読解問題は、「チョコレートにダイエット効果がある?!」「アメリカの大学生は大学卒業後に教員免許なくても教員に2年間なれる(Teach For America)」「観光産業が環境に与える悪影響」などがテーマとなります。
このような社会性の強いテーマでは、ある程度の雑学的な知識や社会常識があれば理解はスムーズにおこなうことができます。
たとえば「アメリカの大学生は大学卒業後に教員免許なくても教員に2年間なれる(Teach For America)」というテーマの場合、
●卒業後と就職活動はどうするの?
●教職課程を受けていないのに、教員になって大丈夫?
など、読みながら背景を想像することができます。
長文を読むときは、読んだ文章から想定されることを頭の中に描くことで、本文の内容をしっかりと記憶することができます。
しかし、大学に在籍していた経験や卒業後の経験を小学生に想像してもらうのはなかなか難しいのです。
では前提知識を身につけてもらうために取り組んでいることをご紹介します。
子供向けニュース本で社会的知識を身につける
実は私が小学生のときに読んでいたのですが、
昔やっていたTV番組で「週刊こどもニュース」というものがあり、
それの本が出版されていたのですね。
目からうろこ小学生の大疑問(1996年こどもニュースプロジェクト)
この本は自然科学から社会の仕組みまでさまざまなことに関して述べられているため、
とても重宝しています。
そして小学生用のためふりがなもばっちりです。(ここ重要です)
参考までにいくつか目次から抜粋します。
■円高と円安 日本にとってはいったいどっちが得なの?
■薬害エイズってなに?
■プルトニウムってなに?核のごみってどんなもの?
これらの項目が1冊につき100あり、それらが見開き1ページにまとまっているため大変読みやすい作りになっています。
英検準1級の問題はおもしろい
しっかりとした前提知識が身につくと英検準1級の問題はとてもおもしろいです。
英検準1級の問題では、まだ我々が知らない新しい情報が出題されていることも多いかと思います。
(先日、過去問の分析をしていて、世界から消滅したはずの天然痘という脅威的な病原ウイルスがアメリカとロシアではまだ保管してあることを初めて知りました。)
今回の問題はどんなことが書かれているのかな?と楽しむ気持ちで取り組んでいただけると前向きに勉強が進められると思います。